アメリカンクラシックMTB RACE 29 チューブレスホイール
American ClassicのBill Shook(社長)はチューブレスに対応する軽くタイヤの性能を引き出すリムの開発に努力してきた。『All Mountain Tubeless』は、American Classicで初めて新しいリム形状を使ったホイールセットだ。私たちはその軽量バージョンの『MTB Race 29』ホイールをレビューする。リムサイズは高さ22mm、内径24mm、外幅28mmなので26インチのホイールを使っているライダーはこのホイールを考えてみると正しいことがわかるだろう。29erは重量が重く、漕ぎ出しが重いので多くのメーカーは細くて従来のXCリムとタイヤでその欠点を補っている。
Bill Shookは、『MTB Race』リムのウォール部分とフランジ部分を薄くするために幅が広く深いチューブラーリムの形状にした。そしてテンションが同じになるように32本の軽量バテットスポークで組んだ。その結果、強くて驚くほど軽い1,459gの29erホイールが出来、漕ぎ出しが速く確実に曲がれるホイールとなった。MTB Raceはチューブレスレディホイールの中でもより良い選択だ。MTB Race チューブレスホイールは、一般的なスルーアクスルとクイックリリースに対応する。American Classicは29erに乗らない人に650Bと26インチホイールを用意している。重量はアクスルの選択で変わるが平均で前後1,459gだ。希望小売価格29、650B、26モデル全て999USドル(ペア)各アクスル対応、製造1年保証及びクラッシュ交換プログラムがある。
MTB Race 29 Specs
• 用途: Cross country/trail
• リム: MTB Race Tubeless aluminum
• スポーク: AC Race Round 14 /16 gauge spokes Black, AC aluminum nipples Silver, 32-hole 3-Cross front and rear
• 重量: 29: Front 670gr, Rear 789gr
• ハブオプション: Front - Disc 130 100mm, 15mm thru-axle, Disc 100mm, 9mm thru axle, Disc 100mm, Lefty Disc 100mm (for 26 and 29 only). Rear: Disc 225 135mm, 10mm x 135mm thru-axle Disc, All Mountain Disc thru axle 12mm x 135mm, 142mm thru-axle Disc.
• カセット: Shimano/SRAmerican Classic 9/10 SRAmerican Classic XX1
• 色: AC Cloud Black with Gray Hubs
• 付属: AC Tubeless MTB Tape Installed, AC Tubeless Valves, Cromoly QR’s
• アップグレード: CerAmerican Classicic Bearings, Titanium QR’s.
• 注意: UST タイヤは推奨していない
• ディスクブレーキ: 6-Bolt インターナショナル
MTB Race Tubeless ホイール構成について
American Classicホイールは設計とプロトタイプはアメリカ国内で行い、製造は台湾で行っている。
従来の組み方
MTB Race Tubelessホイールは32本の14/16ゲージバテッドスポークとアルミニップルで3クロスで組む。ミッドフランジのハブは他のハブよりフランジ間が狭くなっていてドライブ側とディスクブレーキ側のスポークテンションを同じにしている。
6本爪ラチェット
American Classicは6本爪のフリーハブラチェットの特許を取っている。爪はカム運動で確実にハブ内の24個のラチェットリングに噛む。一方、滑走時は内側の爪はフリーハブを静か且つ摩擦ゼロを保つ。6本全ての爪は同時に噛むため信頼性がある。しかしこの設計のマイナス点はノッチ角12度である。
リムにはリムテープが付きチューブレス対応だ。バルブ部分は壊れやすく空気を入れるときに曲がりやすい。
新型のフランジ
Stan's NoTubeと似ているがAmerican Classicのリムのフランジ部分は極端に浅い。これは重量を軽くし衝撃に対する強度を増しタイヤの丸みを増すためだ。浅いフランジは恐らく横方向の荷重にも良いだろう。
チューブレスレディデザイン
リムの内側は緩やかにカーブしてチューブレスタイヤのビードが出ることを簡単にしている。フランジのリップの上部はフック状になっていてビードロックも兼ねている。American Classicは公式的にはUSTタイヤを使うことを勧めていない。たぶんUSTタイヤのビード形状がこのリムのカーブしたフランジと合わないのだろう。
鉄製のプレート
小さい鉄製のフェースプレートがカセットボディ上の3つのスプラインに取り付けてあり、強くペダリングした時にスプロケットがカセットボディへ噛み付くことを防いでいる。American Classicはカセットボディはシマノ、SRAmerican Classic9速、10速、XX1 11速に対応可能。
調整可能ベアリング
ハブベアリングのプリロードを調整できる。セラミックハイブリッドベアリングにアップグレードできる。
浅いリムフランジはタイヤをより丸くする。右の図はリムのビード受け部分ととても薄いウォール部分を示している。
アクスルの選択
MTB Raceホイールはクイックリリース、QR15、142/12mmスルーアクスルに交換できる。アクスルとハブの選択は広範囲に渡り、シングルスピードと3種類のハブ幅(130,135,142mm)を含む。
ブレーキローター
6ボルトのみ設定でAmerican Classicはブレーキローターのボルト取り付け部分に切り欠きのない物を強く勧めている。American Classicでは、切り欠きがあるローターのために補強するためのレインフォースメントリングを売っている。
チューブレスレディ
MTB Race 29ホイールのリムには透明なフィルムが貼られていてアルミのバルブが付いている。バルブコアは取り外し可能、チューブレスにするときにエアを最大圧力で入れビードを出す時やシーラントを入れる時に有効だ。
軽量
公式の重量はペア1,459gだ。フロントは670g、リアは789g。アクスルの違いで重さは変わるが実測でもだいたい同じだった。
American Classic MTB Race 29 Tubelessホイール インプレッション
私たちはMTB Race 29 Tubelessホイールを188cm、91kgのライダーにテストしてもらった。彼はモハベ砂漠やSan Bernardino Mountainsでたくさん走っているライダーだ。彼はクラッシャーであるが6ヶ月間もの間テストした。そしてAmerican Classicはとても良いと言った。1シーズン使いまだ使えると。以下は彼のレポートだ。
チューブレスタイヤのインストール
Specialized Purgatory 2.2をフロントにGround Control 1.9をリアに入れた。両方ともレバーを使うことなく手ではめることができた。一旦リム入ればPurgatoryはフロアポンプで空気が簡単に入った。Ground Controlの方はフロアポンプではうまく空気が入らなかったのでエアコンプレッサーを使った。何年も色々な種類のリムとタイヤを使ってきたがAmerican ClassicホイールはStan's リム(A-plus)とチューブレスにするのは同じくらい簡単だ。
外見
ホイール単体で見るとBと評価。しかしバイクに取り付けるとなかなか良くAと評価。
重量
29インチホイールで1,480g!? 少し乗り過ぎてしまわないか心配だ。ダウンヒラーのルックスでクライマーとして知られるこの私に90kg以上の体重が耐えられるのか(耐えてほしい…)。
American Classicフリーハブは6つの爪のラチェットでとても強いが一方でノッチ角12度がタイムラグを引き起こす。鉄製の補強プレートがアルミのカセットのスプランに取り付けてある。
ライドして
通常はStan's/HopeまたはAmerican Classic All Mountainホイールを使用している。1,800gほどなのでかつてのレーサーだった頃の気分にさせてくれる。7.2kmの上りでは1時間10分でいつもより速かった。このホイールは固くて反応の良いホイールで1,800gのHope Flow/Stan'sのホイールより勝っていることがわかった。初めてのロングライドの終わりに舗装路で問題が発生した。リアホイールは1回のライドで振れていた。よく見るとタイヤのビードが完全にはまっていなかっただけであった。タイヤの空気を抜きフロアポンプで注意深く空気を45psiに入れてリムに完全にはめた。
良い点
軽量で固くチューブレス化が簡単、見た目が良く速く見える。タイヤのグリップも素晴らしく良い。リアタイヤをもっと太くしてみたい。
悪い点
バルブ部分はとても壊れやすい。空気入れから外す時にネジ部分が折れた。American Classicには改良してもらいたい。バルブコアは空気を入れるときは非常に慎重に扱わないといけない。急いでいるときなどはとても扱いが難しい。真鍮製のバルブに交換した。
耐久性
リムは非常に薄く岩などが当たってフランジ上部とサイド部分が凹んではいる。不思議にもパンクには耐えたがリムを凹ませてしまっている。タフなホイールに変えたいならこれはお勧めできない。毎週ホイールの振れとりをしなければならかったので。
pinkbikeの見解
重いAmerican Classic All Mountain Tubelessホイールと比べてMTB Raceホイールはそれほど固くはない。加えて日常のメンテナンスが必要だ。例外なく軽量ホイールはメンテナンスが必要だ。私はバイクを激しく乗るがこのホイールは一度もタイヤが外れたことがない。タイヤはリムに固く張り付き振れる感じもない。1,480gはEastonやSpecializedのカーボンホイールと競合するが値段は安い。もし激しくそして軽いホイールで乗りたいのならAmerican Classic MTB Raceホイールを勧める。自分でメンテできることが前提だが。-Eddie Rea
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