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2012/11/14

EXCLUSIVE:倒立DHフォークDVOエメラルド - ファーストルック

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20121112


ブライソン・マーティンとエンジニアのジョシュ・バルタックスがマルゾッキ社から離れてサスペンションの開発の「DVO」を創業して7ヶ月が経った。ブライソンはサスペンション業界で23年間携わってきて今までとは違ったことを始めたかった。「私はすぐにやりかったし、我々は一つ屋根の下で全てをやることができた。」とブライソンは強調した。「すべてのアイデア、設計、エンジニアリングがすべて一つ場所にあるので目標を設定し実行することがはるかに簡単である。」トム・ロジャース(製品開発)とロニー・ディラン(ヘッド技術者)がマルゾッキ社を離れ、ブライソンとジョシュ に加わるまでそれほど長くはかからなかった。そしてDVOフォークが誕生した。一方、現在主流のサスペンションメーカーは非常に沢山の種類を提供する。DVOの計画はハイエンドの商品のみを製造し、203mmトラベルの倒立フォーク「エメラルド」からスタートしここPinkbikeに初めて登場する。

倒立フォークが登場してから長くなるが、我々は倒立フォークのメリットを知っている。我々は他のメーカーでできなかったことを成し遂げたい。
- ブライソン マーティン, DVO


これが一番最初の「エメラルド」であるが、フォークは開発時何本もテストされた。
エメラルドのオープンバスツインチューブダンパーシステムは、他のメーカーのフォークの中で実際テストされている。しかしこれは知られていない。マーティンは初期のエメラルドは、エアースプリングシステムに先立ってコイルスプリングで開発していたことを明らかにした。プロダクションモデルでも同じでありエアスプリングを使う。DVOはライダーが調整し、ストロークを好みに仕立てれるようにしている。面白いことに、ネガティブコイルスプリングがありエメラルドオーナーはプリロード調整ノブによってフォークの初期ストロークの調整ができるようになっている。


エメラルドの詳細

使用目的:DH / FR
デザイン:倒立
トラベル 203mm/ 8''
支柱:36mm/二硫化モリブデンコー​​ティング
アッパーチューブ:4341mm/テーパー7000シリーズアルミニウム
ステアラーチューブ:1 1/8 テーパーオプション
CTA:ワンピースカーボンアーチ/インナーガード/フェンダー/50%ねじり剛性向上
フォークのクラウン:鍛造とCNC機械加工/26''および650Bサイズのためのトレイルジオメトリ/ダイレクトマウントステム適合
スプリング:エア
ダンパー:ツインチューブオープンバス
外部ダンパーの調整:低速高速独立コンプレッッション/リバウンド
ネガティブスプリング:コイルの /プリロード調整
目標重量:2900 - 3000 g/6.4 - 6.6ポンド
在庫状況:20136/ 7
メーカー希望小売価格:未定


倒立デザイン
DVOチームはエメラルドの倒立のレイアウトを、より軽いバネ下重量、安定した潤滑そして26インチホイール以外への互換性を求めた。それらすべての点はもっともであり多くのフォークが正立である理由はねじれの強さがあり、倒立は欠けているからである。倒立フォークはモトクロスでは一般的であるが、モトクロスバイクでは重量はあまり考えられていない。極太で薄い肉厚のアウターチューブや頑丈なクラウン、アクスルクランプはより固くそして重いフォークとなる。しかし、同様の方法がマウンテンバイクのフロントに採用された場合、結果として正立フォークは剛性のあるフォークにはにならない。それは必ずしも悪いことではないのか?「マウンテンバイクへの採用は大きなアドバンテージがある。しかし、それは正しい位置でなければならい。」DVOのブライソンは言う。DHやエンデューロフレームは固いカーボンでできていて、サスペンションは構造的にも油圧的にもバイク全体を最適化しないといけない。」



我々は、業界では一般的な剛性を強調しすぎると感じている。剛性は、常により良いというわけではありません。
ブライソン・マーティンDVO

ほとんどのマウンテンバイカーの一般的なコンセンサスは、フロントエンドはねじれに強すぎないことである。しかし実際、剛性があることはよいことなのか?
そこにポイントがある。よけいなねじれがネガティブなパフォーマンスを起こし、不安定なハンドリングになる。しかし、マーティンは適度なねじれは荒れ地での前輪の追従をスムーズにしMotoGPのトップデザイナーはこのことを長年に渡り知っている。テスト中、一人の有名なダウンヒルライダーが正立フォークのアーチ部分を切ってねじれよる追従性を探っていたことはあまり知られていない。ねじれによる追従性がアドバンテージなら、どうやって重くならないフォークを作るのか疑問になる。DVOの答えは「カーボントーションアーチCTA」である。


カーボントーションアーチ
エメラルドの論点はカーボンファイバーであることは疑いようもないが、ボルトオンのCTAユニットはロワーレッグの保護やフェンダーとしてだけでなく、ロワーレッグをつなぎ合わせ、ないものに比べてねじれ剛性を50パーセント高めた。基本的な考え方は新しいものではない。90年半ばからライダーが倒立を望み、エラストマー・スプリングやエアーダンパーのHalsonフォークはロワーレッグをブレースでつないでいた。CTAは迫力があり、実際トレイルでどれだけ効果的か見ることができるだろう。

CTAはフルカーボンファイバー構造でユニークである。ねじれに強く軽く耐久性も強い。DVOCTAユニットによって単に固さのみを加えるのではない。マーティンは言う。「このデザインは、コーナーでの剛性とラフな路面、ストレートセクションでいくらかの追従性をもつ。」テストではいくつかのCTAを試し固さとのバランスで最終のデザインを決めた。ボルトオンによるカーボンパーツのアイデアがフォークの開発に来たとき、DVOはどのようなアクスルサイズと形にするか調査していた。面白いことに六角形のアクスル(マニトウフォークのように)のアイデアは、アクスルの表面の全体的な締め付けを増し、滑りとねじれを制御するより効果的な方法だということがわかった。エメラルドは変なアクスルではなくむしろ丈夫な20mmアクスルである。


量で競争力をもつことは重要であるが、性能、信頼性、耐久性はもっと重要である。2900-3000gは我々のターゲットそして我々は近くなったが性能、調整、耐久性のあるフォークを使ってもらいたい。
-ブライソン・マーティン, DVO

カーボンアーチコンセプトはねじれ剛性も向上し重量も増やすことがなく否定しようもないが、 DVOはほんの約200グラムの追加と主張している 。しかしここに疑問が残る。そのようなデザインはモトクロスやエンデューロバイクでなぜ使われていないのか。DVOが主張するようにCTAユニットが同等に有効であるならば、倒立シングルクラウンフォークも同じく我々は他の場所でも目にすることがあるかもしれないが、今の時点では目にすることはできない。「われわれはそれぞれのプロジェクトを一つ一つ見て、プロダクトデザインを特別な用途に合わせて最適化したい。」

エメラルド従来の工具を必要とする20mmアクスルで、クイックリリースや変わったロック方法などはない。
ツインチューブダンパー
もっとも一般的なダンパーレイアウトはシールドカートリッジレイアウト(FOX FITカートリッジやロックショックスのロワーレッグがカートリッジボディになる)やオープンバスカートリッジ(ALA マルゾッキ)であり動きや重さの面でメリットやデメリットがある。エメラルドはいずれでもないが、代わりにオープンバス方式でツインチューブレイアウトである。DVOはロングトラベルフォークはこの方がふさわしいと考えている。「純粋なオープンバスシステムは通気やキャビテーションの問題を持っているだけでなく、余分なオイルによる不必要な重量の追加になる。」とマーティンは言う。「ツインチューブはダンピングを安定させオイル量を最小限にする。」ダンパーデザインは機能面でしばしば終わりのない論争となるが、ツインチューブシステムはモトクロスサスペンションで高く評価される。モトクロス風の考えはDVOの思考の大半を通じて真相を突いている。

左:フォークのベースバルブとリバウンドアッセンブリー、および中間バルブ
右:ロジャースは組み立てられたツインチューブダンパーボディを見せている

DVOはツインチューブダンパーのオープンデザインは純粋なDHフォークにとって最も理にかなっていると断言しているが、ショートトラベルのフォークでも違ったやり方で試みるかもしれない。ブライソンによると、「203mmトラベルに比べて160mm以下のフォークではクローズドシステムの方がアドバンテージがある。」この考えは他のサスペンションメーカーが基本的なダンパー設計がハイエンドフォークラインナップやクロスカントリーからロングストロークのダウンヒルまで同じであることと対象的である。

ツインチューブのオープンバスダンパーは、名のごとく二次的なチューブがフォークの中に位置している。ダンパーピストンはこのチューブ内を上に行ったり下に来たりする。しかし、それは密閉されるのではなくチューブの壁のオイルポートが、バルブを通してダンピングオイルがインナーチューブとアウターチューブとの間で循環する。このレイアウトは少ないキャビテーション(気泡の形成とハードな使用下で油の泡立ち)になり、より安定した減衰をつくり、オイルレベルを最適化し、潤滑してフォークのストロークをスムーズにする。ダンパーボディに組み込まれたDVOのエメラルドバルブはピストンとして知られている。DVOは滑らかで、オープンなポートを介してオイルの流れをつくるピストンを作った。これは低流量ピストンが要求されるより多くのシムによってフォークのダンピング特性がを制御させる。異なったシムによってチューニングができるアドバンテージがある。いくつかの他のサスペンションメーカーが採用するポート開放によるシステムとは対照的に、このフォークはシムによるリバウンド減衰を採用している。ポート開放による減衰は、ポートと呼ばれる小さな穴を通ってオイルが流れる。ポート減衰の一つの潜在的な問題は、時々オイルが必要なときに十分に速く流れず結果として不安定な減衰になる。一方、シムによるリバウンドは高速コンプレッション側でも動的な減衰を発生させる。
エメラルドの調整ダイヤルは頑丈なアルミニウム部品である。右レッグ上側で高速低速リバウンド調整、右レグ下で高速低速コンプレッッション調整できる。


ユーザ調整可能なダンパー
DVOのモトクロス風のアプローチはエメラルドオーナーがダンパー全体へアクセスできるだけでなく、チューニングもできることだ。これは多くのサスペンションメーカーと正反対である(マニトウはアブソリュートチューニングキットがあるため例外)。知識と技術、工具があればできる。DVOはチューニングキットを提供するだけでなく、シム設定を提案しオンラインビデオでオーナーをガイドする。またチューニングしたい人のために社内で技術セミナーを開催する予定である。

我々はピストンとシムのスタックに大きく依存していて個々のシムスタックのチューニングが発生する可能性があるので、ピストンは簡単にアクセスできるように設計した。ライダーはサスペンションの調整がベストになると、違ったセッティングや特定のエリアや技術レベルに合わせた設定がしたくなる。我々はライダーにサスペンションについてやチューニングのノウハウ教える。そしてあなた自身がサスペンションチューニングの第一人者となる。
- ブライソン・マーティン、DVO


エメラルドの「ボトムローダー」ベースバルブはオーナーが分解せずダンパー特性を変更できる。フォーク(またはバイク)を逆さまにして、ボトムレッグにあるコンプレッッションベースバルブを外せばよい。最小限のオイルの損失が発生する場合がある。すべてのダイアルはアッセンブルなので、精密工具を使ってボールベアリングやスプリングをセットする必要はない。


チタンコレットクランプ
現在のMTBとモトクロスのフォークはダブルクラウンフォークが採用されアッパーチューブはボルトで固定しているが、DVOはコレットシステムという違った方法を検討している。コレットシステムは、アッパーチューブ部分に垂直の溝と外側のくさび型によって構成されている。溝が切られてたリング(レンチが必要)を締めるとくさび型によってフォークチューブに固定される。これは先端工具が高回転のドリルやCNCマシンなどに確実固定されているのと同じである。しかしフォークでこのコレットシステムが使われるのは始めてである。コレットシステムの良い点は固定力が大きくボルト固定式に比べて軽いことである。設計では良い点ばかりで問題がないが、一般的なボルト固定式は2014年モデル、コレット式は2015年モデルに出したい。



26インチおよび650クラウン
650Bホイールはミッドトラベルのフルサスペンションの間で浸透していて、26インチホイールはダウンヒルシーンにおいて揺るぎない地位を保っている。これは近い将来変わるかもしれないのでDVOは準備をしている。エメラルドの倒立デザインはフォーククラウンによって色々な種類のホイールに合わせることができ同じトレイルジオメトリを保ちながら最適な状態にセットアップできる。トレイルはステアリング軸の後方の数値と関係する。それはフォークオフセット、ヘッドアングル、ホイールサイズ(トレイルが大きいと高速安定性が増し、小さいと不安定なハンドリングとなる)によって生まれる。トレイルの数字が悪いと、バイクのハンドリングに非常に悪影響を与えるので、トレイルは重要である。
トレイルの数字は大きく変えず、倒立フォークでは違ったオフセットのフォークも同じである。650Bフォーククラウンはホイール径が大きいため少し高くなりカーボントーションアーチユニットも同じく高くなる。DVO650BコンバージョンクラウンとCTAをアフターマーケットアイテムで出すことをまだ決めていないが、我々は将来650Bというものがダウンヒルレースバイクになると確信している。DVOはクラウンセットとCTA29インチホイールに適合するか言及がないが、29インチに適合するなら期待したい。
エンジニアのジョシュとブライソンは一番最初のエメラルドフォークをサンツアー本社でアッセンブルしている。台湾の工場でテストしてもらっているのでDVOは速く展開できる。

The DVOチーム 左から: ブライソン・マーティン - 社長/創業者, ジョシュ・バルタックス -メカニカルエンジニア/カーボンスペシャリスト, トムロジャース - 製品開発

ロニー・ディラン-ヘッド技術者, JP-ゼネラルマネージャー, ブライソン・マーティン・ジュニア-テスト


発射
DVOは最初のエメラルドフォークをアセンブルしているが、製品は2013年夏までリリースされない。我々は新しいメーカーからの製品を楽しみにしよう。ブライソンマーティンと彼のチームは、マルゾッキの最も成功した製品に責任をもっているがイタリアのメーカーへ移動した。「我々は十数年とマルゾッキで過ごし活躍した。」とマーティンは言う。数年前からマルゾッキは道がそれてしまった。これらの問題は我々のコントロールの外にあってどうすることもできなかった。はじめの頃マーケティンがマルゾッキから離れたとき新しいサスペンションの権威が生まれた。そしてその権威は多くのライダーが何年も信頼できるサスペンションを要求することに答えることはは容易ではなくモトクロスの領域でヒントを得ることになる。そして今ここにこのフォークがある。

カーボンファイバーアッパーチューブとクラウン?クランプは、現在1ピースではないが、将来のバージョンのためにそれに取り組んでいる。1ピースのカーボンアセンブリは多くのテストを含んでおり、それは我々がに入りたくない部分だる。
- ブライソン・ソンマーティン、DVO


もしDVOのハイエンドサスペンションのアプローチは良い製品であるなら目にすることになるだろう。エメラルドは初期の段階であるがワンピースカーボンファイバーアッパーアッセンブリーのバージョンを話していて、倒立のシングルクラウンフォークにも加える予定である。エメラルドフォークに合うリアショックについても現在開発中である。言うまでもなくそれはモトクロスからヒントを得たものである。DVOはミッドレベルのサスペンションマーケットにも参入するだけでなくハイエンドの要求に答えるつもりである。











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